One STEP
行き場のない感情
なんであんな事先輩に言われなきゃなんないのよッ!!
悔しくて悔しくてどうにもできないこの気持ちを、あたしは壁に枕を叩き付けるという行為に出た。
ボスンっと部屋に鈍い音が響く。
思い出して悔しくなった。
どうして「違う」その一言すら言えなかったんだろう。
あたしは結局何にも言えなかった。
俯いたままだった。
あたしは演劇部に入りたくない。
入れないと、入りたくないは同じはず。
恐い?
自分に自信がない?
ふざけんな。
あたしは自分に自信満々だ。
だから、あんな格好してられるんだ。
悔しい。
単純に、あの時なにも言えなかった自分が悔しい。