One STEP
揺れる思い
あたしは1人、ポツンと教室にいた。
みんなとっくに帰ってしまった。
やはり今年も部活に入る生徒は少ないみたいで、ほとんどがバイトへ出かけるために帰宅してしまった。
かなりウキウキで仮入部へ行った琴子。
「絶対演劇部に行くこと」と、言い残して去っていった。
強制かよ、と笑って受け流したけれど…。
あたしは窓から身を乗り出して外を見る。
やっぱり少ない。
校庭はすっからかん状態だ。
でも熱気は凄い。
人数なんて関係ないんだ、ということを知った。
みんな頑張っている。
汗だらだらになりながら走っている。
何が楽しいの?
何の目的があって、そんなに頑張っているの?