One STEP
「ぷっは~」
満足そうに口を拭う夏沙先輩。
「おい夏沙、こんな1リットルジュースどこにあったんだよ?」
おかわり、とコップを夏沙先輩に渡す柳沢先輩。
えっへん。
そう胸を張って、夏沙先輩は先輩たちを指差した。
「ふっふーん♪かすみんが入ると思って用意しておいたのさぁ~」
「いやいや嘘でしょ」
夏沙先輩は「バレた?」と、可愛く舌を出す。
元気だなぁなんて横目で見て思いながら、あたしは静かにコップを机の上に置く。
こういう場合どこを向いていたらいいんだろう…。
あたしは困っていた。
なんであんな、ババーンっと入って行ってしまったんだろう。
さっきから、あの魔女役をしていた先輩の視線が痛い。