One STEP
「かすみんジュース入ってるー?」
「あ、はい。大丈夫です」
いったい何杯飲むのだろうか。
飲んでは注ぐ、飲んでは注ぐを繰り返す夏沙先輩。
あっという間に1リットルなくなってしまった。
だが、どこからか出てくるペットボトル。
「~~♪」
両手でペットボトル抱えて、嬉しそうに鼻歌を歌っている。
面白いなぁ。
ハムスターみたい。
「はいはーい、夏沙俺にも」
コップを夏沙先輩に差し出す。
しかし、夏沙先輩は凄く嫌な顔をして、ペットボトルを背中に隠した。
「ふじたん先輩飲みすぎでーす!」
「いやいやまだ1杯だからね?確実に夏沙の方が飲んでるでしょ?」
「夏沙が買ったからいいのですよー」
プーっと頬を膨らませ、自分のコップだけにジュースを注ぐ。
「弥生ちゃーん。ジュースありますか?」
「ええ。ありがとう」
どうやら、藤田先輩だけにはあげたくないみたいだ。