One STEP
飲もうか飲むまいか小さなことで悩んでいると、聞いたことのない声が聞こえてきた。
「あの2人なにがあったんっすかー?」
「夏沙、柳沢に噛み付いてたけど」
ひょっこり顔を覗かせた男子2名。
「あ、八木とゆた到着!おそい!」
どうやら全員集合はしたようだ。
あたしはチラっと入ってきた先輩2人を見て頭を下げた。
なんか恥ずかしいな…
ずっと拒否してたのに図々しいって思われるかな…?
込み上げて来た、負けそうな気持ちを飲み込む。
「あっら!例の1年生?」
「何々、入部?」
空いている椅子に座り、2人は言う。
「あ、荒木香澄です。お願いします」
あたしはゆっくり頭を下げる。