One STEP
しゅんと小さくなったあたしを見て、寺原先輩が優しく言った。
「美空はしっかり者で、何にでも前向きなの。すごくいい人だとあたしは思っているだけど、ちょっとああいう性格があるかな」
「そう…なんですか」
あたしはここで楽しむと決めた。
そのためなら、なんでもチャレンジすると決めた。
〝先輩は恐い〟
本当に?
自分から何もしないで、「あの先輩は恐い」そう思い込んでいいのかな?
あたしはまだ、何も知らない。
まだ、始まったばかり。
あたしが地雷なら、なんとかしても押し止めてみせるよ。
これから。
これから始まる。
あたしの新しい挑戦。
だから、あの松下先輩とも仲良くならなきゃ。
仲良く、なりたい。
初めてそう思った。