One STEP
あたしはちょんと騒いでいる2組を横目に寺原先輩の隣の椅子に座った。
すごい居心地が良かった。
いつもなら家にいる時間。
1人でダラダラしている時間。
けれど今あたしはここにいる。
不思議な気持ちになった。
それと同時に、胸がきゅんとなった。
ポカポカ、気持ちよい陽だまり。
そよそよ、流れていく風。
いつもなら無駄だった時間。
「先輩」
「なぁに?」
「とても、気分がいいです」
先輩は一瞬「?」と首を傾げたが、何かに気づいたか、ふふっと小さく笑い少し胸を張って。
「いいでしょ?ここ」
あたしは、小さく頷いた。