One STEP
1人静かに唸っていると、さも当たり前のようにお姉ちゃんが言った。
「入ったのね?!」
「!!」
驚いているのも束の間。
「え?!なになに?!香澄演劇部入ったの?!」
「そうなのか?香澄」
食いついてきた。
お父さんとお母さんは、いつもあたし達の話しにはあまり入り込んだりしない。
今だって、それを願っていた。
部活に入る。
それは荒木家にとって重大なニュースの1つ。
もちろん食いついてくるわけだ。
「え…っと…」
どうしたものか。