One STEP
「演劇部に入ったんだってねっ!!!!!」
…それか。
あぁなるほど納得。
情報が早いなぁと感心してしまうほどだ。
そう言えば、昨日琴子に演劇部に入るよう命令されてたんだっけ?
結局自分の決心で決めたことだから、琴子に命令されていたことなんて忘れていた。
「本当ありがとおー!!!」
もはや泣き始める琴子。
そんなに寺原先輩が好きなのだろうか。
「…どういたしまして」
なんか…あたし…売られた気分なんだけど…。
琴子は鼻息荒く、あたしに言いかける。
「今日テニス部ないの!だからね、演劇部行ってもいいかな?!」
あたしにイエスノーを言う権利はないと思う。
というかノーって言っても勝手にイエスと思い込むよね?完璧に。