One STEP



あたし達は保健室へ向かう。



「誰か演劇部の先輩に会わないかなぁ~」



…そんなに寺原先輩に会いたいのか。



琴子にとって、先輩はアイドルみたいな存在なのだろう。


確かに綺麗だし優しいし、完璧だよなぁ。



憧れる先輩。


寺原先輩みたいになれたら、って思う。



目指すはキラキラな自分。


これからなんとしてでも輝いてみせるんだ。



「おんぶしてあげよっか?」



「痛いの手だから」



ケラケラ笑う琴子。


やはり可愛い。


ってか逞しいな琴子。



< 236 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop