One STEP
あたし達は保健室へ向かう。
「誰か演劇部の先輩に会わないかなぁ~」
…そんなに寺原先輩に会いたいのか。
琴子にとって、先輩はアイドルみたいな存在なのだろう。
確かに綺麗だし優しいし、完璧だよなぁ。
憧れる先輩。
寺原先輩みたいになれたら、って思う。
目指すはキラキラな自分。
これからなんとしてでも輝いてみせるんだ。
「おんぶしてあげよっか?」
「痛いの手だから」
ケラケラ笑う琴子。
やはり可愛い。
ってか逞しいな琴子。