One STEP

夏休みの計画




「ぷっはぁぁ――ッ!生き返る~~」


そう満足そうに夏沙先輩は言って、バタンと床に倒れた。



夏と言えば冷たいもの。


本当はカキ氷がいいんだけど、なんて思いながらジュースを流し込む。


ジュースが喉を通っていく感覚が、とてつもなく気持ち良い。



あたしは結局先輩から借りたお金でジュースを買った。



初めて作った〝借り〟。


やはり良いとは思えないけど、なんだか胸が温かくなった。



「夏だねぇ~」



「そうですね」



3年生以外は、みんな床に寝そべっていた。


これまたなんとも床が冷たくて気持ち良い。



静かにしてみれば、ときたま通り抜ける風。


床からと風からの冷たさが気持ち良い。


クーラーがなくても生きていけるものだ。



すっかり生き返ったあたし達。


そよそよと通り過ぎる風のせいで、急に眠気が襲ってきた。



そう言えば昨日寝るの遅かったからなぁー…



あたしは気づかれないように、大きなあくびをした。



< 249 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop