One STEP
夏休みの計画
「ぷっはぁぁ――ッ!生き返る~~」
そう満足そうに夏沙先輩は言って、バタンと床に倒れた。
夏と言えば冷たいもの。
本当はカキ氷がいいんだけど、なんて思いながらジュースを流し込む。
ジュースが喉を通っていく感覚が、とてつもなく気持ち良い。
あたしは結局先輩から借りたお金でジュースを買った。
初めて作った〝借り〟。
やはり良いとは思えないけど、なんだか胸が温かくなった。
「夏だねぇ~」
「そうですね」
3年生以外は、みんな床に寝そべっていた。
これまたなんとも床が冷たくて気持ち良い。
静かにしてみれば、ときたま通り抜ける風。
床からと風からの冷たさが気持ち良い。
クーラーがなくても生きていけるものだ。
すっかり生き返ったあたし達。
そよそよと通り過ぎる風のせいで、急に眠気が襲ってきた。
そう言えば昨日寝るの遅かったからなぁー…
あたしは気づかれないように、大きなあくびをした。