One STEP
なんなんだろう?と首を傾げていると、寺原先輩があたしの頭を撫でてきた。
「大丈夫。そんな緊張しないで。発表ってね、すごく楽しいんだから」
そう、天使様スマイルを見せる先輩。
あたしはきっと凄い不安な顔をしているだろう。
先輩に言われるとすごい説得力がある。
だけどもあたしは不安だらけだ。
「あたしにも…できますか…?」
「もちろん!あたしにだってできるんだから!」
そう先輩は笑顔で普通に言うけれど、あたしと先輩を一緒にしないでほしいと内心思う。
何て言ったって、あたしは先輩の-50くらいなんだから。
でも、時間は待ってくれない。
この夏休みであたしは勇気をつけなくては。
逃げないと決めた。
チャレンジすると決めた。
だから、頑張るんだ。