One STEP
「かすみんのデッカイ声聞くの、あの日以来だから楽しみ~」
「うんうん。かなりいい声だったよね」
ちょ…
カッチーンと固まってしまった。
そんなプレッシャーをかけられて、普通に叫べる奴がどこにいるんだ!!
本当に無理なんだけど!!!
涙が出てきそう。
泣かないで我慢しているあたしを褒めてほしい。
「頑張って香澄ちゃん!」
ファイト!って、そんな笑顔で言われても…
うぅっ…どうやら逃げることは不可能。
あたしは意を決した。
言わなくちゃいけないんだ。
しょうがない。
いつまでも恥ずかしがっているわけにはいかない。