One STEP
あたしは小さく拳を握り締めた。
「スイカ――――ッ!!!」
…なんとなく。
スイカを食べたかったから言ってみただけ。
深い意味はない。
シイン…っと静まり返った教室。
恥ずかしすぎて、振り返ることができなかった。
「…………」
この沈黙は一体何なんだ?!
どうしてみんな黙る?!
かなり恥ずかしい状況。
誰1人として、口を開くものはいない。
間違った?!ミスった?!
もう少しマシなのが良かった…?
あたしは恐る恐る振り返った。