One STEP
「あらあら?」
お婆ちゃんはあたしを見て、ハテナと首を傾げた。
あ、そうだった。
みんなは去年来ているっほいけど、あたし初めてなんだった。
何か和菓子をかでも持ってくれば良かったかな?!
あたふたと挙動不審なあたし。
しかし、いつまでもあたふたしているのは小学生まで。
少し遅れて、大きく頭を下げた。
「いっ1年の荒木香澄です!よろしくお願いしますっ!」
ぎゅ、っと目を瞑る。
頭の中では〝どうしよう〟が、ずっと駆け巡っていた。
本当にバカだと思う。
本当にあたしは大バカ者だ。
しかし、いまさら思っても遅い。
しかし降ってきたのは、とても優しい声で。
「香澄ちゃんって言うのね?可愛い子が入ったのねぇ~」
そう言って、優しく微笑んでくれた。
シワクチャのなったお婆ちゃんの顔。
とても優しくて、すごく落ち着いた。