One STEP
夏沙先輩はショックでしゃがみ込んでいた。
そんな夏沙先輩を励ます柳沢先輩。
なんだかんだ優しいんだと思った。
「いよーし!気を取り直して行きましょ!」
「次誰がやりますー?」
わくわくと、胸が高鳴る。
うずうずと、胸が疼く。
こんな感情は初めてだ。
〝やりたい〟
こんな前向きなあたし、いたんだ?
ずっと奥底に隠れていたの?
ごめんね。
待たせたね。
あたしは小さく拳を握り締め、大きく息を吸って。
「あたしやりたいです!」
右手を高く、高く上げた。