One STEP
「いい加減にしてくださいッ!!あたしは部活に入る気なんてこれっぽっちもありません!!失礼します!!!」
大声で吠えるように一気に言い切った。
すぐさま部室から飛び出す。
逃げるように、あたしはMAXスピードで廊下を走っている。
家に帰る!!
絶対演劇部…というか部活なんて入らないんだから!!!
一息もつかずに、大声をあげたからか。
眩暈がする。
フラフラする。
ここまで来ればいいだろう、と。
あたしは昇降口まで来て、やっとスピードを落とした。
荒い呼吸を整えようと、壁に手をついて深呼吸を繰り返す。
ほとんど下駄箱に靴がない。
当たり前だ。
もう放課後だもの。
部活に入っている人以外はみんな帰る。
もちろんあたしも帰る。