One STEP




「いい加減にしてくださいッ!!あたしは部活に入る気なんてこれっぽっちもありません!!失礼します!!!」



大声で吠えるように一気に言い切った。


すぐさま部室から飛び出す。



逃げるように、あたしはMAXスピードで廊下を走っている。



家に帰る!!


絶対演劇部…というか部活なんて入らないんだから!!!



一息もつかずに、大声をあげたからか。


眩暈がする。
フラフラする。



ここまで来ればいいだろう、と。


あたしは昇降口まで来て、やっとスピードを落とした。



荒い呼吸を整えようと、壁に手をついて深呼吸を繰り返す。



ほとんど下駄箱に靴がない。


当たり前だ。


もう放課後だもの。



部活に入っている人以外はみんな帰る。


もちろんあたしも帰る。



< 30 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop