One STEP
「行けっ」
ポン、と優しく押される背中。
この温もりはなんとも言えない、心地良い温度。
ぎゅっと竹を握る手に力が入る。
こうなったらボカンと割らないと、なんて意気込むあたし。
逃げることは簡単。
諦めることも簡単。
そんな簡単にできている世界に生きるあたし達。
でも、ほんの少し。
ほんの少しでいいから勇気を出せば、
きっと、
きっと―――…
――――ボガッ。
きっと、強くなれるはず。
ねぇ、そうでしょう?