One STEP
スニーカーを取り出す。
上履きを脱いで、下駄箱に押し込んだ。
なんなんだ、まったく。
あたしは怒っていた。
あの先輩はいったい何だったんだ?!
そんなにあたしを演劇部に入れたいのか?!
あの部室を見る限り、部員は少ないと見えた。
10人前後くらいかな。
そんなにいなかったかもしれない。
人数が足りないからなんでしょ?
だからたまたまあそこにいたあたしに声をかけたんでしょ?
いい声ってなによ?
ただの言い訳じゃない。
イライラする。
〝誰でもいい〟それが何より一番ムカついた。
追いかけてこない事をもう一度確認し、あたしは静かに学校を後にした。