One STEP
お誘いのメモ
なんでこんなことになってしまったんだろうか。
あたしは目の前の光景に、頭を悩まされていた。
ニコニコと。
綺麗に美しく笑う、この前あの中にいたであろう人が目の前にいる。
もしこの前あの部室に連れて行かれたりしなかったら、一生縁がなかっただろう美しいとしか言い様のない先輩を目の前に、もちろんのことながらあたしは困惑することしかできない。
ビックリ仰天だ。
「…………」
これが人類の言う、綺麗の部類に入る方なんですね。
あーはいはい、良く分かります。
なんて心の中で1人頷き納得し、そう思ったらなんだかドキドキしてきたあたしは先輩を直視できないでいた。
演劇部部室にいた一際綺麗なオーラを放っていた先輩。
な…なんでドキドキしてんだあたし。
「こんにちわ。荒木さんっ」
「…………」
コンニチワ美女様。
あたしは無理やりに作った笑顔を顔に貼り付けることが精一杯だった。