One STEP



なんだか先輩はとても楽しそうでまるで毒りんごを作っている魔女みたいに見えた。



これが美空先輩じゃなくて良かったと思う。


これが美空先輩だったら、あたしはきっと気絶していたに違いない。



「先輩…先輩が黒くなっている気がするんですが…」



「そう?ぜんぜんだよー」



ニッカーと、変わらない笑顔を見せる先輩。



いやいやいや。


絶っ対黒いと思うよ。




結局それからというもの。


先輩はコショウとかポン酢とかマヨネーズとか、とにかく台所にある全ての物を混ぜた。


とっても楽しそうに。



色は最悪どころの話じゃない。


食べ物で遊んではいけません、なんて思うけれどいつの間にかあたし自身も楽しんでいた。




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