One STEP
できあがったジュースを「飲む?」と聞かれたもんだから、あたしは好奇心だけをフル回転しちょびっと飲んでみた。
が。
「…ッ!!!!!」
あれはこの世にあってはならない物だと思った。
ケチャップとか卵とかマーガリンとか、唯一大丈夫だと思っていた砂糖でさえもマズすぎて失神しそうだった。
楽しそうにスイカの味付けをしていく先輩の横顔を見つめる。
トクントクンと。
先輩が近くにいるときだけ、こうして心揺れるあたしがいる。
ねぇ先輩…あたしは…先輩を好きになってもいいですか…?
―――――それから。
起きたみんなに「体に良いジュース」と、平然と嘘を言った慎也先輩。
もちろん疑わないで、ゴクリと飲んでしまったみんな。
その後、慎也先輩が集団リンチに合ったのは、言うまでもない。