One STEP
あたし達は8人、この大きな部屋で一緒に寝ていた。
男も女も関係なし。
みんな好きなところで寝ている。
ちなみに今日あたしの隣は慎也先輩だった。
左は壁、右は慎也先輩。
もちろん右なんて向けるわけがなかった。
あたしはずーっと壁と睨めっこをしたままでいる。
先輩が隣にいるって考えるだけでドキドキとウルサイ。
明日も朝早いから早く寝なきゃいけないのに寝れない。
あたしは上を向いたり左を向いたりゴロゴロと動く。
しかし一向に睡魔がやってくる気配はない。
「寝れないの?」
「…へっ?!」
あたしはその声に反射的に右を向いてしまった。
月光で微かだが先輩の顔が見える。
慎也先輩はパッチリと両目を開けてあたしを見ていた。