One STEP
「?」
「松下がいると思うよ。いつも夜は眠れるまでベランダにいる。あ、あそこからベランダに繋がってるんだけど」
なるほど。
先輩たちも寝れないのかと思った。
「眠れないなら行ってみたら?」
あたしの心臓が変にドキリと音をたてた。
み…美空先輩…?
先輩の場所にあたしから行くの…?
でも寝れそうにないし、ここで変な言い訳をして怪しまれたら困るから行くことにした。
怒らないかなぁ…?
あたしは今まで、美空先輩とは必要最低限のことしか話していない。
話したいけど拒否されそうで恐かった。
ずっと一歩が踏み出せずにいた。
最近は前のようにトゲトゲしくされることは減ったが、2人っきりになるのは少し緊張する。