One STEP
そうして今に至る。
…なぜ?
どうしてこんな綺麗な人があたしの目の前にいるんでしょう…?
疑問ばかりが浮かんでくる。
頭の中はハテナだらけ。
そんなあたしのことなどお構いなしに、その女の人は堂々と挨拶をしてきた。
「突然ごめんなさい。3年の寺原弥生です」
そう言って微笑む先輩。
「は…はぁ…」
とてつもなく曖昧な返事をし、ただ頷くことしかできないあたしの心は小さくて情けない。
あたしは何がなんだか分からないでいた。
けれどこの先輩のハキハキと堂々とした声に、1つだけ分かったことがある。
確実に演劇部の先輩だよねッ?!
そしてハっと。
次の瞬間にはものすごい事に気づいてしまった。
もしかしてあんな事言って怒鳴って帰っちゃったから怒ってる?!
今更ながら、自分の犯してしまった言動を大後悔。
あたし…なんてことしちゃったんだろうッ!!!