One STEP
繋がったままの手と手。
ゆっくりと目を閉じる。
けれど数秒後、ゆっくり目を開けた。
近いとも遠いとも言えない距離に感じる先輩。
先輩の寝顔を見つめ思う。
先輩が好きだ。
溢れ出す想い。
高鳴る鼓動。
繋いでいる手に少し力を込めると同じ力が返ってきた。
やばい。
本当、嬉しい。
にやけそうになる口元を必死に堪えて、あたしは目を閉じた。
人生初めての合宿。
それはあたしにとってとても大きくて、大切な時間となってあたしの中に刻まれた。