One STEP
意見…あるに決まっている。
こんなのを見て、黙ってるわけないじゃない…
「どうして…あたしが…?」
そう呟いた瞬間、部室の空気ががらりと変わったのが分かった。
けれど今のあたしにはそんなことを察する余裕すらなかった。
今にも泣きそうだ。
強くなったはずなのに。
度胸がついたはずなのに。
これぽっちもついていなかった。
やっぱり弱いままなのか。
あたしの名前の前に記入されている主役の文字に、心も体も震え上がっていた。
やっぱりそう来るか。
まさに慎也先輩はそんな顔をして弥生先輩を見た。
あたしは顔が上げられなかった。
俯いて小さく唇を噛んだまま次の言葉をただ待つ。