One STEP
「香澄ちゃん。最近すごい頑張ってるじゃない?だからあたしが藤田くんと美空に言ってみたの」
なんだろう。
このフツフツと湧き上がるこの感情は。
分かっているのに。
分かっているはずなのに。
あぁ…あたしはなんて弱虫なんだろう。
「だから今回は香澄ちゃんを主役にしてみたんだけど」
言葉にできない。
込み上げてくる、この熱を持った…これは何?
やめて…やめて。
「勝手にごめんね…?でも香澄ちゃんならできると思うんだあたし」
あたしの何かが、悲鳴を上げた。