One STEP




「香澄ちゃん。最近すごい頑張ってるじゃない?だからあたしが藤田くんと美空に言ってみたの」



なんだろう。


このフツフツと湧き上がるこの感情は。



分かっているのに。


分かっているはずなのに。



あぁ…あたしはなんて弱虫なんだろう。



「だから今回は香澄ちゃんを主役にしてみたんだけど」



言葉にできない。


込み上げてくる、この熱を持った…これは何?



やめて…やめて。



「勝手にごめんね…?でも香澄ちゃんならできると思うんだあたし」



あたしの何かが、悲鳴を上げた。




< 349 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop