One STEP



落ち着けば馬鹿なことをしたと思う。


いくらなんでもあの場所でああいった態度は馬鹿がやる事だ。



顔がだんだん青ざめていくのが分かる。



さっそく目つけられたらどうしよう…!!



この前のあの能天気そうな男の人とは違う女の人、というのが余計に不安をあおう。



よくよく考えてみるとこの笑顔がやけに恐い。


にっこにこ笑っている先輩。



…恐い。
何を言いにきたんだろう…。



あたしはゴクリと生唾を飲み込んだ。


やけにその音が響いた気がした。



この先輩の口が開くのがとてつもなく恐い。



周りの生徒から感じる視線は痛々しい。


ブツブツ囁く声があたしの不安をマックスまで持ち上げる。



この前はごめんなさい!!


とりあえず先輩が口を開く前に謝っておこうと決めたあたしが慌てて息を吸って口を開こうとした時だった。





< 35 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop