One STEP



「どうしてあたしなんですか…?」



呟いた心の悲鳴。


口を開いてしまった。



止まらない。



「なんでそんないきなりなんですか?!これっぽっちも言ってくれないでいきなりそんな事言われても困りますッッ!!!!!!」



溢れ出した。


それは止まることなく、どんどんどんどんどこまでも広がっていく。



止まらない…止まらない。


…ダメ。


先輩はあたしに大事な〝主役〟という役をあたしに託してくれたんだから。



あたしを認めてくれたんだから。


頑張ればいいんだから。


だから…



しかしあたしの言葉は次々に流れ出す。


まるで決壊したダムのように。



止まらない。



こんなのただの八つ当たりにすぎないのに。



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