One STEP
口が。
声が。
言葉が。
あぁ…やめてやめて…止まって、お願い…っ。
「酷いです!!先輩は何も分かってない!!こんなあたしが前に出ても笑われるだけです!!」
開いた口は止まることなく次々に言葉を零す。
あたしは地面を睨み付けたまま、不安も何もかも八つ当たりに変えて爆発させた。
「可愛くもない綺麗でもない、そんなあたしが主役?!笑い者にしかならないじゃないですかッ!!」
多分泣いていたと思う。
興奮していて分からないけど、頬が熱い。
熱い何かが流れているのは分かった。
あたしは息苦しさを覚えながらも、止まらないこの感情を弥生先輩にぶつけた。
「綺麗で可愛い先輩には分からないでしょう?!先輩がやればいいじゃないですか!!先輩なら笑われ者にならないでしょう?!こんな弱いあたしが出れるわけがないですよ!!」
息を吸い込んで、
「先輩がやればいいのに…――――ッ!!!!」
「それ以上言うならあたしが許さないよッ!!!!」
初めて聞いた美空先輩の本気の怒鳴り声。
あたしはその声にビクリと震えてしまった。