One STEP
少しの勇気と
「スイマセンでした…」
暫くなき続け落ち着いたあたしは、自分の膝と膝の間に顔を埋めたまま小さな声で呟いた。
かなり悪いことをしたと思う。
ちゃんと弥生先輩に謝らなきゃいけないって分かってる。
けど今はできそうにない。
みんなで頑張ってきた。
練習もたくさんした。
あたしは裏切者だ。
勝手に逃げ出した、ただの弱虫だ。
結局あたしは進めていない。
あの日、ここにいた自分と一緒。
一歩も進んでいない。
進めていない。
気づいてしまった。
やはりあたしには無理だったんだろうか。
最初からやめておけばよかったんだろうか。
あたしはぼやける視界の中、何も考えることができなかった。
残ったのは後悔。
悔しい気持ち。