One STEP
演劇部に入ったことで、たくさんの気持ちを教えてくれた先輩たち。
頑張ることを知った。
努力をすることを知った。
みんなで楽しむことを知った。
手のひらが温かいことをしった。
先輩たちは恐いんじゃなくて、温かいことを知った。
全て、教えてくれたのは先輩たち。
子供だったあたしに教えてくれたのは先輩たち。
そんな先輩たちに、あたしは背中を向けてしまった。
一番あたしが前向きじゃなきゃいけなかったのに。
「せんぱ…、あっあたしは…っ、最低なことをしてしまいました……」
遅い。
気づくのが遅すぎる。
今更気づいても…もう遅い…?
「うん。だからどうしたい?」
先輩は優しく背中を撫でてくれる。
温かくて、落ち着く。