One STEP
先輩の言葉がゆっくりとあたしの中に染み込んでくる。
あたしの心は先輩で満たされる。
そして思う。
やっぱり先輩が好きだ。
あたしは足を止めて先輩をしっかりと見つめた。
あたしより10センチ以上高い身長。
必死に先輩の目を見た。
「先輩、あたし…頑張ります」
頑張る。
やるだけやってみる。
だから少しだけ…少しだけなら…いいよね?
「ちょっとだけ…パワーをください」
あたしはゆっくり先輩の右手をとって、ぎゅっと両手で握った。