One STEP
流れてくる先輩の体温。
落ち着くこの温度。
あたしの体温と交じり合う。
ゆっくりゆっくり溶けていく。
この瞬間が好き。
先輩が好き。
まだ口に出せる勇気はないけれど、どうかあなたにこの気持ちが伝わりますように。
「あ、スイマセン…」
あたしは慌てて手を離した。
先輩が何も言わないもんだからよく考えないで行動し続けてしまったけれど、よくよく考えると恥ずかしいことをしてしまったんじゃないかと慌てた。
な…なんか変態みたいだったかな…?
先輩はちょっとビックリした顔をしていた。
当たり前だ。
「あの…慎也先輩…」
気持ち悪かったかな…?
嫌だったかな…?