One STEP



あたしとお姉ちゃんは床に座ってプリンを食べ始める。



「美味しいっ」



「でしょ?大学の近くに見つけたからしょうがなくアンタの分まで買ってきてあげたのよ」



「ふふっ。ありがとお姉ちゃん」



幸せなひと時。


あたしはプリンが大の好物だ。



あたしはお姉ちゃん大好きだ。


数年前まではケンカばっかりで、大嫌いだったのに不思議。



お姉ちゃんは目に付いたんだろう、床に転がっていた台本を手に取った。



「これやるのー?」



口元にプリンを運びながらお姉ちゃんはあたしに聞いてきた。



「うん。文化祭でね」



「ふ~ん」



お姉ちゃんは面白そうにパラパラとページをめくっていく。


面白いのか、プリンを食べることも忘れて台本を読み出すお姉ちゃん。



確かに弥生先輩が考えただけあって、話はかなり良いんだけど。


良いんだけど…あたしと慎也先輩というのがねぇ…



< 395 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop