One STEP




春、とてもじゃないが王子様とは無縁だと思っていた先輩だったが、気づけば王子様に見えるようになってしまった。



あたしは好きなタイプが変わってしまったんだろうか?



あれから何度か山田先輩と廊下ですれ違ったのだが、告白したときのラブな気持ちはどこかへと消え去ってしまったらしい。


ドキンともキュンともしなかった。



山田先輩はカッコいいけど、慎也先輩の方が断然カッコいいと思うあたしが確かにここにいる。



顔はぜんぜん山田先輩の方がカッコいい。



しかしなぜだろう?



結局外見なんてどうでもいいのかな?


あたしは…そんな女になれたんだろうか?



好き。



突然そう言いたい衝動に駆られる時がある。



目の前にいるのに言いたいけど、言えない。



この高鳴る気持ちが邪魔をする。



< 405 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop