One STEP
「ボーっとしてる。生きてるかーい?」
「…生きてまーす」
隣に先輩がいる。
先輩の隣にあたしがいる。
別にたいしたことじゃないのに、それがしょうもなく嬉しい。
嬉しくて嬉しくて、胸がキュンとなる。
かなり幸せだと思える。
「何笑ってんの?」
「え゛?!あたし笑ってましたかっ?!」
あたしは慌てて上がった頬を揉み解す。
うわうわうわ…あたしとうとう顔にまで出るようになっちゃった?!
先輩はジト目であたしを見つめ、
「思い出し笑いする人ってエロいんだってー」
そう真剣に言うもんだから、あたしは思わず笑ってしまった。