One STEP
ユウヘイと出会う、まず一番最初から。
口が震える。
上手く言葉を発することができるかどうか分からない。
かなり危うい状況に、あたしの焦りは増すばかり。
大丈夫大丈夫…落ち着いて。
あたしはゆっくり目を瞑った。
「じゃあ一番最初からね!」
弥生先輩の声がものすごく遠くから聞こえる錯覚。
あたしは慌てて台本に視線を戻すと目を開けた。
『君は?』
慎也先輩の声。
真正面から先輩の声。
あたしは息を吸い込んだ。