One STEP
弱い自分は嫌い。
頑張れない自分は嫌い。
「かすみん平気…?」
夏沙先輩がとても心配そうにあたしの顔を覗き見ていた。
気づけばあたしはいつの間にか教室の端に座らされていた。
「ごめんなさい…」
消えそうな声で、それだけを壊れた人形のように呟いていた。
目の前ではアリアの1人シーンをやっていた。
堂々とした美空先輩。
キラキラしている。
あたしなんかじゃ手が届かないくらいの輝き。
羨ましい。
悔しい。
悲しい。
あたしはいくら頑張っても、あんなキラキラ輝くことはできないのかな…?