One STEP
みんな真剣。
みんな頑張っている。
じゃああたしは?
何を頑張っているの?
一体あたしは何のためにここにいるの?
次々と出てくる疑問。
あたしがここにいる理由はなに?
今のあたしにこの答えが出ることはなかった。
「かすみん。ゆっくりでいいんだから、一緒に頑張ろうよ」
そう言って、いつもみたいな可愛い笑顔を向けてくれる先輩。
ウルっとした目を必死に隠して、あたしも笑った。
「ありがとうございます」
夏沙先輩はとても嬉しそうにあたしの頭を撫でた。
どうしたら度胸がつくんだろう。
どうしたら勇気が出るんだろう。
どうしたら…先輩たちみたいに輝けるんだろう。