One STEP



みんな真剣。


みんな頑張っている。



じゃああたしは?


何を頑張っているの?


一体あたしは何のためにここにいるの?



次々と出てくる疑問。




あたしがここにいる理由はなに?




今のあたしにこの答えが出ることはなかった。




「かすみん。ゆっくりでいいんだから、一緒に頑張ろうよ」



そう言って、いつもみたいな可愛い笑顔を向けてくれる先輩。


ウルっとした目を必死に隠して、あたしも笑った。



「ありがとうございます」


夏沙先輩はとても嬉しそうにあたしの頭を撫でた。



どうしたら度胸がつくんだろう。


どうしたら勇気が出るんだろう。



どうしたら…先輩たちみたいに輝けるんだろう。



< 423 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop