One STEP
あたしの心はマイナス一色だった。
もしオーラが見える人がいるならきっと、あたしだけが違うオーラを放っているだろう。
悔しいけれどあたしには何もできない。
声も出ないし体も震えて役にたたない。
本当なら「次あたしやります!」そう言って立ち上がるのかもしれない。
だが現実はそう上手くいかない。
恐い…
このままずっとここに座っていたいと思ってしまった。
あたしが立ち上がらなくちゃいけないのに。
一番練習しなくちゃいけないのに。
体が言うことをきかない。
きいてくれない。
さっきみたいに失敗してしまったらどうしよう。
ぎゅっと強く体に足を寄せる。
かなり小さくみえるだろう。
どうすればいい…
あたしはどうすればいいの…?
――――ぐいっ
突如掴まれ、持ち上げられたあたしの腕。
あたしは驚いて、その持ち上げた人物の顔を見上げた。