One STEP
あたしが泣き止んで落ち着きを取り戻すと、美空先輩と一緒に部室に戻った。
時間はもう6時。
終了のチャイムが鳴り響いた。
あたしは部室に入る。
みんな帰りの支度をしていた。
「かすみんとみそらん先輩いーたー!」
「荒木~松下先輩に苛められなかった?」
そう言うゆた先輩を睨む美空先輩。
ゆた先輩は小さくなって「すいません」と呟いていた。
勇気を、今だけちょびっとください。
心の奥底のあたしに呼びかける。
あたしは小さく息を吸って吐いた。
拳に力を込めて。