One STEP



「そうだね。アリアとユウヘイが付き合ってることを知っていながらも、リノアは自分の気持ちを隠すことができない」



気持ちを…隠すことができない。


そこから分かるのは、リノアはどうしようもなくユウヘイが大好きなんだということ。



大好き。


大好き…



ハっと気づいた。


あたしは急いで台本を捲る。



出会い。


リノアとユウヘイが初めて会ったところ。



『そう優しく微笑んでくれるユウヘイ』



あたしはその文字を見て、やっと繋がったことを知る。


離れ離れだった糸が、1つに繋がった。



そうか…この子、リノアは…



〝今のあたしと全く一緒なんだ〟



リノアはユウヘイの笑顔を見て惹かれていったんだ。


あたしもそうだった。




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