One STEP
あたしは心を落ち着かせ、小さく息を吸った。
「あたし…っ頑張りますから!先輩たちの期待に応えられるように…精一杯頑張りますっ!」
しっかりとやらなきゃいけない。
分かっていたけど、あたしは心のどこかで先輩たちに頼っていたのかもしれない。
あたしは1年だから…そう勝手な理由をつけて、甘えていたんだ。
だけどもうそれじゃだめなんだ。
これからはあたし自身、しっかりとやっていかないといけないんだ。
弥生先輩は穏やかに微笑んだ。
「そんなに頑張る頑張るって思わないで?」
「…え?」
あたしは先輩の言っていることがイマイチ分からなくて首を傾げた。
「香澄ちゃんは1人じゃないわ」
「そうそう。なんか香澄ちゃんって、1人で頑張らないといけないとか思ってるでしょ?」
もちろんあたしは首を縦に振る。