One STEP
1人で頑張らないといけない。
思うに決まってるじゃない?
だって主役はあたしなんだもの。
あたしが頑張らなくちゃ、劇が成り立たないんだもん。
先輩たちは穏やかに微笑む。
あたしの頭はハテナだらけ。
「1人で頑張る、じゃなくて、みんなで一緒に頑張ろうよ?」
「香澄ちゃんは仲間でしょー?」
あたしはそんな先輩たちの言葉に、またまた涙腺が緩んで溢れ出す涙。
なんでこんなにも優しいの?
どうしてあたしなんかにこんな言葉をかけてくれるの?
重くなった心が少しずつ軽くなっていくのを感じた。
先輩たちの言葉は、あたしにとっては魔法の言葉。
先輩…大好き…っ。