One STEP
「あたしも頑張らないと…」
ラストシーン。
後はあの場面だけ。
あそこが上手くいけば…かなり良いモノが出来る。
だからあたしは悩んだ、考えた。
良いモノを作るために、みんなが1つになるために。
明日に迫る本番。
壁にはたくさんのポスターが貼ってあり、その中に演劇部も混じっている。
あたしはそのポスターにそっと触れる。
まさかあたしが演劇部に入るなんて思わなかった。
未来は誰にも予測できないものなんだと改めて思った。
明日は文化祭。
あたしの初めてのステージ。
あたしはその事実をかみ締めた。
「緊張する?」
ふと、入り込んできた声にあたしは振り向く。