One STEP



「ボーっとしてるね?」



「あはは、ごめん」



あたしはどうすればいいんだろう。



琴子の顔を見るとかなり楽しみなんだろうな、っと思うほどのk-らを放っている。



ここの演劇部がどれだけの実力を持っているのか分からない。


なあなあなのかもしれないし、賞を取ったりするほどかもしれない。



凄いんだろうか?



見てみたいとは思う。


映画や演劇などを見ている最中に寝る人がいるけれど、あたしは最初から最後までしっかり全部見る人だ。



琴子は「この紙貰っていい?」と、あたしにお願いしてきた。



もちろん返事はオーケー。


琴子はそれを嬉しそうに生徒手帳に挟んでいた。



そんなに寺原先輩のファンなのか…。



「でさ、香澄は演劇部入るの?」



「まさか!あたし人前に出るの苦手だもん」



その格好で?って琴子は笑う。


あたしは言葉に詰まった。



う゛…確かに周りはそう思うのが普通だよね。


でも違うんだってばっ!! ってことを伝えようと思ったけれど、それを言ったところでどうにもならなさそうだったから諦めた。




< 48 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop