One STEP
「今日行くからねー?」
「はいはーい!お姉様も行ってやろうじゃないの」
起きてきて第一声がこれ。
まずはおはようでしょうが。
あたしはお姉ちゃんを少し睨んで椅子に座る。
ホッカホカのご飯がお母さんによって運ばれてくる。
あたしは小さな声で「…いただきます」呟いて、箸を持つ。
「…何で来るの?」
あからさまに嫌な顔をするあたしに、お母さんは声を弾ませて言う。
「行くに決まってるでしょ?お母さん、子供の部活見に行くのが夢だったんだから」
なんだそれ。
あえて突っ込まない。
あたしのお母さんは自分の決めたことは何を言われても曲げない人なのだ。
あたしは100%お母さん似。
「…お姉ちゃんは何で?」
あたしの言葉が言い終わる前に、お姉ちゃんは面白そうに笑って言う。