One STEP
「行くに決まってるじゃん!かなり見たいよ!」
「…大学は?」
「午後は丁度ないのよっ」
この大学のバカ野郎。
どうしてこんなときに授業をしないんだ!
結局2人共来るらしい。
どうせ笑われるんだろうな…。
考えるだけ憂鬱になる。
だからもうこの際気にしないことにする。
できることは精一杯リノアを演じることだけだ。
あたしはいつもより早めに家を出た。
もちろん、少しでも練習できるように。
まだまだ調整したいところはたくさんある。
全て完璧にとはいかなくても、できるだけ完璧にしたい。
あたしは学校目指して駆け出した。
学校が近いのはかなりいい。